学生時代には古着屋でアルバイトをしていました。今でも古着が大好きです。
当記事では『古着屋店員』目線のヴィンテージ古着とレギュラー古着の違い、古着のメリット・デメリットをお伝えします。
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はっきりした定義のようなものはないが、「古着」は「used(ユーズド)」と言い換えれば分かる通り、一度でも誰かが身に着けた衣類を指し、中古衣料全般を指す言葉。
そう、実は古着に確たる定義は存在しません。とても曖昧です。
地元のリサイクルショップで売られている古着も、古着屋で売られている古着もどちらも『古着』。
しかし、両者は同じ意味合いをもつ『古着』でしょうか?
違いますよね。
両者は、元々の意味、広義の意味では同じですが、ファッションにおいては全く別物です。
この曖昧さを回避するために、当記事では古着に一つだけ定義づけを行いましょう。
古着とは何か?
古着とは、ジャンルです。
『古着=ジャンル』
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ファッションには様々なジャンルがありますよね。
・ストリート
・カジュアル
・キレイ目
・モード
・エスニック
などなど、挙げきれないほど多くのジャンル、○○系ファッションが存在します。
古着も同じように、1つのジャンルとして捉えましょう。
ストリートファッションのアイテムを買うために、ブランドのショップに行きますよね?カジュアルもモードも然りです。
つまり、古着屋で取り扱っている古着は、正真正銘ファッションとしての古着。地元のリサイクルショップの古着は中古衣料品としての古着として考えてください。
さて、ここであなたは古着という曖昧なものに確固たる定義付けを行いました。
「古着=1つのファッションジャンル」を前提にして、『ヴィンテージ』と『普通の古着』の違いと古着の魅力(メリット)・デメリットを紹介します。
『ヴィンテージ』古着とは?
「ヴィンテージ」
聞いたことがある方も多いと思います。
ヴィンテージ古着とは、一言でいえば“価値のある古着”です。
価値のある理由としては以下が主な理由です。
- 製造年数が古い
- 元々の生産数が少ない
- (例外もある)
①:製造年数が古い
ヴィンテージの王道と言えば、やはり「リーバイス」などが挙げられるでしょう。
博物館級の激古アイテムだと100万円以上もするものも存在します。
②:元々の生産数が少ない
これは、例えば「ミリタリーアイテム」が顕著です。
大戦時のミリタリーアイテムなどは、特に頻繁にモデルチェンジを繰り返していたりします。
変更点は、ジップの変更など細かい箇所だったりしますが、変更後(または変更前)のアイテムの製造期間がたった1年だった場合、生産数が極少ということになるので、高価で取引されることが多いです。
③:例外もある
ヴィンテージに関しても結局のところ、定価ではなく、あくまで相場で取引されるので、そこに明確な定義は存在しません。
例えば、1990年代のアイテムはそれほど古いわけではありませんが、ヴィンテージとして取引されるものもあります。
90年代のバンドTシャツ、特に「ニルヴァーナ」や「オアシス」などは年々需要も高まっているので、すでに立派なヴィンテージアイテムとして流通しています。相場だと、安くても2万~、高いものだと10万円近くするものもあります。
今後は需要は上がる一方なので、比例して価格も右肩上がりに上昇すると思います。
このように必ずしも年代が古くなくても、ヴィンテージと呼ばれるアイテムもあります。
需要が増えたとしても、(タイムマシンで過去に戻らない限り)供給が増えることはあり得えないので、一度人気に火がついてしまうと、爆発的に価格が跳ね上がるのがヴィンテージの特徴でもあります。
『レギュラー(普通)』とは?
「ヴィンテージ」古着の反対語として用いられるのが『レギュラー』古着という言葉です。
レギュラー古着は、ヴィンテージ古着に比べて“製造年数が新しく““数が多い”古着を指します。
また、ヴィンテージ古着に比べて価格もお手頃なので、初めて古着を着てみたいという方には、100%レギュラー古着がおすすめです。
レギュラー古着の良い点は以下2つです。
- 価格がお手頃
- 着回しが効く
①:価格がお手頃
レギュラー古着には、お手頃な価格のアイテムが多くあります。
例えば定番アイテムの「リーバイス」のジージャンや「チャンピオン」のパーカーでも3,000円台~から購入できるイメージです。(もちろん掘り出し物を見つければもっと安いです)
ファストファッションのクオリティが上がっているとはいえ、やはりデニムの王様リーバイスやスウェットの草分け的存在のチャンピオンのクオリティには、遠く及びません。
生地とか触って確かめてください。厚みが全く違います。
元はとても高価だったアイテムや、すでに良い感じに経年変化した逸品をお手頃価格で購入できるのは、レギュラー古着の良さですね。
②:着回しが効く
レギュラー古着は、ヴィンテージ古着に比べて、クセのない普遍的なデザインや状態のアイテムが数多くあります。
特に、ジージャンやパーカー類のレギュラー古着は、古着という1つのジャンルの中だけではなく、ストリート、カジュアル…etc
ジャンルを超えて着回しができます。
古着の魅力(メリット)
- 人と被らない
- 色々なファッションに取り入れられる
- 長持ちする
- 時代に左右されない
- ロマンがある
①:人と被らない
古着というのは、基本的に1点物です。
ヴィンテージはもちろん、比較的新しいレギュラー古着であっても、2つとして同じアイテムは存在しません。
「人と被るの嫌」そんな方に古着は特におすすめですね。
②:色々なファッションに取り入れられる
レギュラー古着の良い点でもお伝えしましたが、古着はとにかく汎用性が高いです。
合わせ方次第でどんなスタイル、ジャンル、コーディネートにも馴染むので、洋服の数がまだあまりない方にもおすすめです。着回しが効くので。
③:長持ちする
伊達に何年、何十年も存在しているわけではありません。古着は長持ちします。
特にデニムやミリタリー、レザーアイテムなどは着込むごとにアジがでる所謂“経年変化”を楽しむことがきるので、長持ちする上にどんどんカッコよくなります。
洋服を育てる喜び・楽しさ、これも古着ならでは良さですね。
④:流行りに左右されない
汎用性が高く、様々なジャンルのファッションに合わせられるということは、流行りに左右されないアイテムだということです。
毎年毎年、流行りを気にして洋服を買い替える必要がないので、じつは古着はめちゃくちゃコスパが良いと言えます。
⑤:ロマンがある
個人的に古着の一番の魅力だと思っています。
着込むごとに経年変化していくことはもちろんですが、「この服はどこの国のどんな人が着ていてどんな物語を辿ってきたんだろう?」という背景を考えるととてもロマンがあると思いませんか?
時代を超え、国を超え、“今、自分の手の中にある洋服”に、なにか特別な縁を感じるな、という方が無理な話です。
古着のデメリット
①:同じアイテムが2つと存在しない
古着は完全に1点物。2つとして同じものは存在しません。
なぜなら、生まれ(製造元)は同じでも、そこから先はそれぞれ違う人に着られ、違う物語を辿ってきたからです。
気に入っていたアイテムを無くしたり、着れないほどの汚れや傷が付いてしまっても、同じものを買い替えるということができません。
あとがき
僕自身、本当に古着が大好きで、コーディネートの中にはいつも必ず古着のアイテムが入っています。
次の記事に大阪や関西にお住まいの方に特におすすめしたい古着屋さんをまとめています。
古着屋さんって、一見さんお断りみたいな入りずらい空気があると思われがちですが(確かにそういうお店もある)、記事で紹介しているお店は初めてでも入りやすいのでおすすめです。
良ければ参考に。
[…] 元古着屋店員が解説するヴィンテージ古着とレギュラー古着の違い 【元古着屋店員が解説】“ヴィンテージ”と“普通の古着”の違い【古着のメリット・デメリット】 […]